アンサーソングは届かない

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【考察】『憧れFuture Sign』がRe:ステージ!ドリームデイズ♪のEDだった理由とは?

こんにちは、くろーぷです。
今日7月7日はRe:ステージ!ドリームデイズ♪の放送開始日です。1年前の今日、Re:ステージ!は新たな歴史を刻み始めました。13週にわたる物語は多くの感動を呼び、リメンバーズの記憶に焼き付くものとなりました。ありがとう、Re:ステージ…。

 

リステDDは楽曲にもかなり力を入れており、作中歌は大きな注目を集めました。様々な場面を彩る美しい新曲を数多く生み出した本作ですが、エンディングテーマに据えられたのは既存曲、それも初期に発表された『憧れFuture Sign』でした。これには当時アニメ化以前から応援をしていたリメンバーズの間で大きな話題になりました。椿本プロデューサーの計らいとのことでしたが、なぜこの曲だったのか、ここまで具体的なことは語られずに来ました。今回、アニメ公開1年という節目のタイミングでこの疑問に個人的な見解で解答してみようと思います。

 

今回私が考えた案は2つです。

 

  • 作る段階からアニメのエンディングを意識したのではないか
  • 古参へのはなむけではないか

 

これら中心に、この歌の意味と選ばれた経緯について考察していこうと思います。 

 

 

1.作る段階からアニメのエンディングを意識したのではないか 

『憧れFuture Sign』の発売は2017年1月18日。KiRaReとしては3枚目のシングルで、オルタンシアの『Flowers~となりで咲く花のように~』と同時発売でした。発売前からMVが冬コミで先行公開されるなど、かなり力の入ったプロモーションを行った楽曲でもありました。当時を思い出すと「キラリン☆感謝祭~集まれ!リメンバーズ~」で新曲の制作が発表されたこともあり、非常に期待値が高まっていたように感じます。16年の年末にはお渡し会も行われるなど、コンテンツの新しい始まりを予感させるものでした。

 

そして満を持して発売され、オルタンシアとの合同イベントも行われ、ステラマリスのデビュー曲も発表されるなどコンテンツ全体の勢いも過去最高に高まっていました。このような背景の中リリースされた『憧れFuture Sign』はKiRaReの、Re:ステージ!の大きなターニングポイントになった曲です。

 

その後17年6月には1stライブが行われることになるのですが、リステップリリースなどが行われたものの全体としての勢いはデビューした16年から比べるとかなり失速。ノベルの連載は終了し、P'sライブ以外にライブの発表は一切無く、Re:ステージ!としてのライブは翌年7月の2ndまで無い状態が続くことになります。この時の肌感はかなり厳しく、正直2ndでリステは終わるんじゃないか、そんなふうに思っていました。そんなリステの直面する良くない状況のなか、ふと初めて『憧れFuture Sign』を聞いた時の「なんだかエンディングみたいだな」という感覚を私は思い出していました。リステが終わるその瞬間のための楽曲、そう言われても違和感がないほどの空気感を纏っている、そんなふうに感じました。これが、私が当時抱いていたこの曲への感覚です。

 

しかし、本当はこの裏でアニメ化、Re:ステージ!ドリームデイズ♪への構想が進んでいる真っ只中で、演者にも伏せられるくらいの状況でした。現に立花芽恵夢さんは2ndのサプライズ映像はアニメ化発表ではなく解散発表だと思ったとコメントをしています。

 

これらの状況を総合的に鑑みると、椿本Pがアニメを意識して曲をオーダーした可能性はあったと思います。実際にEDに使うかは別として、そのようなイメージはあったのではないでしょうか。「憧れ」という単語がアニメを指し、未来からの目印を追い求める、そんなことになると見越して作られた、そんな風にも聞こえると思います。

 

しかし、ただ意識して作られただけではわざわざ新譜販売という機会を逃してまでこの曲をEDに据える意義は小さいです。それでもあえてこの曲が選ばれた。そこにはまた別の理由があると私は考えています。

 

2.古参へのはなむけではないか

2つ目の説は「古参へのはなむけ」として『憧れFuture Sign』が採用されたのではないか、というものです。

 

Re:ステージ!というコンテンツの珍しい点として「アニメ化を前提としていない(確実にアニメ化されるとは限らない)コンテンツ」としてスタートしたところです。近年のキャラクターコンテンツの多くはアニメ化を軸に展開されることが多く、そうでなくてもゲームがローンチ段階で稼働を開始するなど、メディアミックスでの展開がほとんどです。その中においてリステはノベルとCD展開がメインとなり、映像でのキャラクターはほとんど描かれないコンテンツでした。

 

そのような珍しいコンテンツにおいて、スタート時から追いかけ続けてきたリメンバーズの存在がアニメ化において重要なファクターになったのだろうと思います。正直なところ当時人気があるコンテンツとは言えない状況にあって、それでもアニメ化するという判断になったのは当時のリメンバーズがリステを愛していたこととは無関係でないでしょう。個人的な肌感覚で恐縮ですが、間違いなく当時のイベントにも愛がありましたし、大人気コンテンツではないからこその「大切にしていこう」という空気がありました。

 

2ndのアニメ化発表時にはKiRaRe一人ひとりから「ここまで来られたのは他でもないリメンバーズの皆さんのおかげです」「367Daysに歌われた「君」とは私たちだけでなく皆さんのことでもあります」という言葉もありました。椿本プロデューサーからも今までの感謝を伝える言葉もありました。大きくコンテンツが動き出すタイミングだからこそ、今までのリメンバーズを大切にしよう、そんな意図が伝わってくるようでした。

 

そのような状況においてRe:ステージ!がアニメになるということは、本当に大きな衝撃を持って受け止められました。キャラクターが動く、歌う、踊る。そんな特別な瞬間を彩る曲は何にすべきか、大いに逡巡があっただろうというのは想像に難なくありません。

 

だからこそ、選ばれたのは『憧れFuture Sign』だったのではないか、そう感じるのです。リステがアニメになる、その瞬間まで支えてきたリメンバーズへのはなむけ、過去と現在を繋ぐ役割をこの曲に託したのでしょう。エンディングを聴きながらあれこれ思い出す、そのような楽しみ方、作品への没入を期待してのことだと思います。実際にリステDDのキャラデザが発表されたときは原案の泉つばす先生の絵からかけ離れており、多くのリメンバーズが「本当にこのキャラデザなの?」「5分枠か?」「つばす先生絵じゃないならモチベが」という意見も多くありました。もちろん、現場も最善を尽くしてのことだったとは思いますが、同時に受け入れてもらえないのではないか、という心配はあったと思います。昔からお応援しているリメンバーズ相手ならなおさら。

 

だからこそ 『憧れFuture Sign』に一体感・一貫性を醸成するという難しいタスクを課したのではないでしょうか。苦しい時期を象徴するような、それでいて希望に満ちた『憧れFuture Sign』こそ、目の前に映る作品が紛れもなくRe:ステージ!であるということを証明するかのようでした。キャラデザも変わり、新曲が使われ、キャラクターが動く、そんな新たなことばかりのリステDDにあって、その存在を確実に過去が反映され、いつかのあの瞬間を思い出す、そのトリガーを果たしていました。

 

3.『憧れFuture Sign』は何を伝えるためにEDに選ばれたか

Re:ステージ!が築き上げてきた歴史があったからこそ選ばれた『憧れFuture Sign』。改めてその歌詞を少し考察してみたいと思います。個人的にこの曲のカギを握るのは落ちサビ前のパートだと考えています。

 

(きらめいた)歓声の雨 余韻が

(ゆらめいた)静寂にこだました

(消えないや)指先の震えはもう止まって

(消えないよずっと)いつの間に

(会いたくて)この瞬間が欲しくて

(何度でも)何度でも繰り返したんだ

憧れだよ

未来への期待を そんな歌歌おう とびきり“大好き”さ

 

 

アニメになるまで何度となく立ち現れた「静寂」。その怖いほどの静けさに響いたのはリメンバーズの声援であり、メンバーの、スタッフの励ます声だったのだと思います。アニメ化が発表される瞬間、そしてアニメが放送される瞬間、そしてそれまでのひとつひとつの歩み。そのために繰り返してきたかすかな希望への「憧れ」。だからこそ歌われた「そんな歌」。憧れという遠い存在だからこそ、Re:ステージ!のもう一度、何度でも、というコンセプトを切ないまでに表現している、そんな曲ではないかと思います。

 

そして今アニメが終わり、Re:ステージ!は新たな舞台へと進もうとしています。残念ながらChain of Dreamは残念ながら延期となってしまったものの、アニメの後だからこそ見られる世界が、聴ける音楽があったはずです。『憧れFuture Sign』の最後、KiRaReの6人はこう歌っています。

 

想いの全部 つながって

見てみたいな君と 新しい夢のその先へ

輝け私たち いつまででも どこまででも

 

今こそが「新しい夢のその先」だと私は思います。だからこそ「いつまででも どこまででも」輝くKiRaReが、Re:ステージ!がアニメから1年たってもなお見たいと、心からそう思います。「想いの全部 つながっ」た先に何があるか、その瞬間を見られることを、本当に楽しみにしています。

 

今日で『Re:ステージ!ドリームデイズ♪』の放送からちょうど1年です。22:00に『Brilliant Wings』が流れたあの感動を忘れていませんし、これからも心の中に残り続けていきます。Re:ステージ!がこれからどんな展開を見せるのか、私にはわからないですし、どうしてほしいということも野暮でしょう。しかし、確信を持てることがあるとすれば、それはこの先も過去を大切にするコンテンツであり続けるだろうということです。アニメで多くのリメンバーズが生まれ、愛してくれたからこそ、Re:ステージ!の今があります。現在は常に更新され、過去が積み上がっていきます。その過去は過ぎてしまったものではありません。Re:ステージ!というコンテンツの中では肯定すべき、今の自分を作り上げ、未来へ向かう原動力です。Re:ステージ!がRe:ステージ!である限り、それまであったことを肯定し、そのうえで新しい世界を見せてくれるでしょう。

 

「今ここが君とあの日夢見たスタートライン」。スタートラインに立つまでのいままでこそRe:ステージ!の本質であり、そのスタートラインが更新されるたびに新たな本質が生まれる。この繰り返しこそがRe:ステージ!なのだと、今『憧れFuture Sign』を聴きながら感じています。

 

これが私にとっての『憧れFuture Sign』です。憧れという果て無き世界へ進む、それこそがこの曲であり、Re:ステージ!そのものではないでしょうか。これからもRe:ステージ!がRe:ステージ!であるために、この曲は美しく過去と未来を繋げていくはずです。

KiRaRe 憧れFuture Signのジャケット画像