アンサーソングは届かない

マンチェスターシティとRe:ステージ!を愛するブログ 考察とかを書いてます

込められた想いが繋ぐ、新たなステージ【Re:ステージ!ワンマンライブ 〜Chain of Dream〜感想】

こんにちは、くろーぷです。

 

ワンマンライブお疲れ様でした!1年半ぶりのリステ、本当に最高でしたね。やっぱりリステが一番なんだ、改めてそう感じました。
本稿はライブの感想記事なのですが、まずはその前に感謝の言葉を書かせてください。
このような状況の中、1年間の延期もありながら最高のパフォーマンスを見せてくださった演者のみなさん、準備に奔走してくださったスタッフのみなさん、そして会場で、オンラインで、最高の瞬間を見届けたリメンバーズの皆さん。みなさんのおかげでリステワンマンがありました。本当にありがとうございました。また素敵な景色を一緒に!

さて、そんな素敵な2日間の感想を書いていこうと思います。全曲に対して言いたいことは山ほどあるのだけれど、全部書くわけにもいかないですし。今回は印象的なパフォーマンスや曲、感じた意味などを書いていこうと思います。

 

それでは、よろしくお願いします。

※本記事はライブの瞬間に感じたことを言葉にすることを重視しています。演者さんの発言など実際とは差異がある場合がございます。ご了承ください。

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目次

 

  

「3人でオルタンシア」-オルタンシア公演

ワンマンライブは知っての通り、新生オルタンシアの船出となりました。『「Re:ステージ!」PRISM☆LIVE!! 3rd STAGE ~Reflection~』(以下3rd)で花守ゆみりさんが卒業し、嶺内ともみさんが伊津村陽花役を引き継ぎました。そのお披露目になったのが本公演。私は新しいオルタンシアが何を見せてくれるのか、期待と、少しの不安を抱えて席に着きました。
OPが明け、2人がステージに現れ、響き渡ったのは『Re:Rays』。はつらつとした笑顔でパフォーマンスをする小澤亜李さんと嶺内ともみさん。一言ひとこと丁寧に紡ぎ、指先まで神経を研ぎ澄ませ、シンクロする「オーライ」。新生オルタンシアを印象付けるには十分すぎるほどのインパクトを観客席に与えました。
続いて披露されたのは『Dear マイフレンド』。3rdで涙ながらに花守ゆみりさんと小澤亜李さんが歌ったこの曲が2曲目でした。あの時の胸が張り裂けるような『Dear マイフレンド』とは打って変わり、お互いに「よろしくね」と微笑み合う、暖かな明るさがありました。
オルタンシアは2人しかいないからこそ誤魔化しの効かない、絶妙なバランス感覚で聴かせるユニットです。これまでは花守ゆみりさんと小澤亜李さんの関係性があったからこそ、それを表現できていました。だからこそ、嶺内ともみさんには巨大なプレッシャーは当然あったでしょうし、小澤亜李さんもそれを受け入れて、新しくスタートを切らねばならなかったと思います。MCで嶺内ともみさんは「たくさん練習した」と繰り返し、小澤亜李さんは「その姿を見て頑張っている、すごいな、私も頑張らないと」と感じたと話してくれました。この想いは最初の2曲に強く込められていたはずです。
『Re:Rays』で新生オルタンシアを印象付けて、『Dear マイフレンド』で過去を大切にしつつ、だからこそ前を向いた。かつてのオルタンシアへのリスペクトと、今からここから始まる未来。その両方を併せ持った美しいステージでした。
嶺内ともみさんの姿勢はオルタンシアの新しい種となり、芽を出したのです。言うなれば花守ゆみりさんと小澤亜李さんで咲かせた大輪の紫陽花を、嶺内ともみさんはより美しく育てようとしているのだと、そう感じるステージでした。
紫陽花は一年草、冬は葉を落とし枯れたかのような姿になりますが、本当は寒さに耐え、満開の花を咲かせる準備をしているのです。今回のオルタンシア公演は、儚くもしゃんとした、最初の一輪が花開いたステージでした。花守ゆみりさんと小澤亜李さん、そして嶺内ともみさんの3人がいたからこそ成しえた、美しい紫陽花がそこには笑顔で佇んでいました。

  

「4年半越しのアンサーソング」-KiRaRe公演

KiRaReはこの5年、Re:ステージ!の歴史を主体となって紡いできました。あの日も、あの瞬間も、6人は確かに歴史をつなぎ、新しい世界を見せてくれました。
メインでやってきた6人もこんなに長くライブがないという経験はなく、久々のステージ。それでもMCのあのわちゃわちゃした雰囲気を見て、いつもと変わらないKiRaReがそこにいると安心できました。
KiRaReはコンテンツを背負って立つ存在であり、1曲1曲に印象的なライブ、パフォーマンスが存在します。6年目になるRe:ステージ!の過去を繋ぐ役割をKiRaReの曲は担っている、私はそう感じています。だからこそ初披露された『We Remember』の「繋がれ 繋がれ」というメッセージも自然と馴染み、新しい歴史のページが刻まれたように思えました。
そして何といっても、KiRaRe公演の主役は立花芽恵夢さんその人でした。センターで歌う『We Remember』に始まり、ソロの『ガジェットはプリンセス』、デュエットの『ク・ルリラビー』、アンコールの『君に贈るAngel Yell』。さらには幕間のダンスパートまで。彼女の持てるすべてが表現されていました。
本当に美しくて素晴らしくて、筆舌に尽くし難いほどの時間だったのですが、1年半のブランクがあってそう簡単に実現できるものではありません。そこにはやはり彼女自身の資質、メンタリティーが大きく影響していると感じています。
デュエットパート後のMCで立花芽恵夢さんは、「椿本さんから「今回は芽恵夢に頑張ってもらうから」と言われて今回のセットリストを受け取ったとき、本当にすごくうれしくて、頑張ろうって思いました」と語りました。プロとして期待されて、それをプレッシャーにすら感じず純粋にパフォーマンスを追い求められる姿勢、それを狙うでもなく自然体でできる精神性。立花芽恵夢さんは、今回のワンマンライブでは声量も上がってダンスも完璧で、かわいくて美しくて、それを評価する声は多く聞かれました。けれど本当に素晴らしいのは、それを形作る精神志向なのだと、あの言葉から感じられました。
そしてアンコールで迎えた『君に贈るAngel Yell』。この曲はRe:ステージ!初の大型イベント「キラリン☆感謝祭~集まれリメンバーズ~」でリメンバーズに強い衝撃を与えた曲、という歴史を持っています。当時は「大きいイベントだし楽しもう!」というカジュアルな雰囲気で、今のようなエモーショナルな空気とはまた違っていました。そのイベントの終盤で歌われたのがこの曲です。楽しく、そして熱い雰囲気に包まれて迎えた落ちサビ、立花芽恵夢さんのパートで聴こえてきたのは歌声ではなく涙声でした。目にいっぱいの涙を浮かべ、喉から声を絞り出そうとする彼女。「Re:ステージ!はこれだけ真剣なコンテンツなんだ」というリメンバーズの共通認識が生まれ、リステの方向性が大きく揺れ動いた瞬間でもありました。リステが今のような感情を揺さぶるコンテンツになった最初の瞬間だったとすら言えるのではないでしょうか。そんな過去を内包した曲を、立花芽恵夢さんは4年半の時を経てもう一度、大事な場面であの時とは全く違う表情で歌い上げたのです。これこそKiRaReが、Re:ステージ!が紡いできた歴史そのものだと思えました。あの時「この一言」が出なかったがゆえに生み出された世界を、立花芽恵夢さんはこの公演で、自ら「終わ」らせて、新しく、心の底から笑顔になれる、そんな心の揺れ方をさせられる世界に再構築したのです。この歳月が生み出した過去とつながった、また一つ新しい魅力。「アイドルを目指す少女たち」がアイドルとして羽ばたいた瞬間が、あの一小節には込められていました。
そして最後は『Startin' My RE:STAGE!!』。デビュー曲としてリリースされ、どんな時もKiRaReの、Re:ステージ!の、そしてリメンバーズの傍にあった曲。リリース当初とは違う意味をたくさんたくさん抱えたこの曲を、あの時と同じ笑顔で披露する6人。これだけ歌い続けても「新しい君が始まる」と思わせてくれる。それはやはりこのコンテンツのだからこそ、そしてKiRaReが自ら歴史を紡ぎ続けているからこそ、Re:ステージ!がRe:ステージ!でいられるのだと改めて感じました。
曲が終わりライトに照らされて浮かび上がった6つの影は肩で息をしていました。まるで「ここがまた新たなスタートラインだよ」と訴えかけるかのように。

  

「戻せない針と、進められる針」-テトラルキア公演

ワンマンライブ2日目。最初のユニットになったテトラルキアは、『Pins & Needles』で開幕のファンファーレを爆音で鳴らすと、勢いそのままに『Stay Together』『カアリア』『Fearless Girl』と畳みかけます。午前中に味わうにはあまりにハイカロリーなセットリストに会場はコール禁止とは思えないほどのボルテージに達します。特に『カナリア』はライブの定番、テトラルキアのアンセムともいえるクオリティで、会場が揺れているかのようでした。
ステージは滾る空気のままにソロ曲のパートへ。4曲の個性が、このユニットとは何たるかを強烈に刻み込みます。3rdでは披露されなかったフルということも手伝い、非常に満足感がありました。特に『One Step Ahead』のCメロの佐藤実季さんの絶唱は、あの細い身体からは想像できないほどの迫力で、西舘ハクというキャラクターがどれだけ真剣にテトラルキアというユニットを思っているのか、その強い気持ちが乗り移ったかのような、鬼気迫るものがありました。
そして後半パート、テトラルキア公演のハイライトになった曲は『境界線』でした。1stアルバムに収録されたこの曲は、爽やかながらも切ないロックナンバー。テトラルキアの中では少し違った立ち位置にあり、その個性ゆえに愛されてきました。自由で泰然として、いつも楽しそうなステージのテトラルキアからは想像できない等身大の心が描かれたこの曲を「一緒に踊る曲」として彼女たちは披露したのです。印象的に繰り返される「お願い神様」という歌詞は、今の当たり前が当たり前でなくなってしまった世界を何度もリフレインさせます。時計の針は戻せない、わかっているからこそ残酷なその事実。しかし、あのテトラルキアがそれを悲しいままに終わらせるはずがありません。サビの振りが客席とシンクロするのを心から楽しそうにみる4人。その瞳には過去への後悔ではなく、今この瞬間を全力で生きるという強い意志が込められているかのようでした。「とめどない今日」をいつだって更新すればいい、『Pins & Needles』の「今日も明日も来年も、今の自分がNo.1」という『境界線』とは違う自信に溢れたメッセージが、切ない歌詞から逆説的に溢れ、会場を満たしていくようでした。一体となって作り上げることで完成するテトラルキアのステージは、どんな状況でだって変わらずそこにあり続ける、そんな普遍性すら感じさせる、曲という枠に収まりきらない『境界線』を4人は披露してくれました。言葉でなくとも気持ちは伝わる、そんな強い想いを届けてくれたテトラルキアは、アンコールで再度『カナリア』を披露します。「心の声で叫べ カナリア」、この言葉が今までよりずっとずっと強い意味でもってリメンバーズの胸に届いた瞬間、テトラルキアはこのライブを真の意味で完成させていました。心の底から熱くなれる、感情のままに楽しめる、それは楽しんでいるあなたがいるから。純粋なライブの楽しさ、それをどんなときも忘れずに持ち続けているテトラルキア。リメンバーズのハートには、彼女たちの無垢な輝きが焼き付いたのはず、そう感じずにはいられない、最高のステージでした。  

 

「天使との距離」-トロワアンジュ公演

テトラルキアがリステの剛なら、トロワアンジュはリステの柔。いつも優しく微笑み、傷を癒す。その神聖さは1年半経っても失われるどころか、ますます凄みを増していました。
ストリングスから始まり、その神聖な世界をえも言えぬ響きに変える『Dears...』。極上の始まりから『月影のトロイメライ』『Silent Dystopia』『Sinfonia』と振り幅のあるセトリが続きます。
ソロ曲のパートでは、『優しい風』の、あの白鳥天葉とは思えないほどピュアな心が、『Skip』は那岐咲らしい、心まで弾むような、恋を楽しむ女の子の気持ちが、『Twin Moon』は奏の、色々な経験をして、単純に愛するだけではいられなくなった二人の関係が、それぞれ丁寧に丁寧に歌い上げられていました。それぞれの恋への想いの違いが、フルで聴くことでより鮮明に感じられました。
そしてこのこの公演で最も意味を深い意味を持ったのが『エンゼルランプ』でした。「トロワアンジュの歌はハモリがあったり、盛り上げる曲じゃないからこそ失敗できない、ちゃんとやらないと、という緊張感があったけど、今日は心から楽しめている」。MCで日岡なつみさんが語ったこの言葉は、まさしくこれまでのトロワアンジュのパフォーマンスと、リメンバーズとの関係性そのものでした。天使という厳かな称号の下、不可侵的な存在であり続ければならないのがトロワアンジュ。あえて近づきすぎないことで成立してきたこのリメンバーズとトロワアンジュの間にある世界観を『エンゼルランプ』はいい意味で変えていきました。
『エンゼルランプ』は初披露の時からサビ前の「(Moonlight...) 思い出だけを (Twilight...) 籠に摘めたら (Your Light...) 今にも溢れそうね」のパートに合わせて「せーの、はいはい」で一緒に振りをするのが恒例になっています。しかし1年半も経てば忘れてしまう人もいるかもしれない、なんとなく、3人はそう思っていたのかもしれません。しかし、その予想をリメンバーズは裏切ります。ソロ曲パートの後の1回目、最初の振りを見た3人の表情は、はっきりと明るくなりました。リメンバーズがこれだけ期間が開いても忘れずにやってくれた、その事実に思わず笑顔になる舞台の上の天使たち。そこからはトロワアンジュのライブでは今まで体験したことのない一体感が会場を包みました。
続けて披露された『Lumiere』『Cresc.Heart』『STORIA』では、日岡なつみさんも、長妻樹里さんも、阿部里果さんも、これまで見たことないほど楽しそうな表情をしていました。「トロワアンジュ」という世界観に規定された微笑みではなく、ライブそのものに対して幸せを感じている、その素直な心がそのまま表情に表れていました。私は最前列でその表情を見ることができたのですが、トロワアンジュのあんな表情は過去に見たことがありませんでした。そして最後にもう一度披露された『エンゼルランプ』。荘厳で神聖なイメージが付いたトロワアンジュが、『エンゼルランプ』のような明るい曲を新曲として発表する機会はこれから先あまりないかもしれません。初期の曲だからこそ紡いでこられた物語が、天使たちを呪縛から解放し、トロワアンジュとリメンバーズの距離を一気に縮めました。キャラクターの持っている世界観を演者が超えてくる、声優ライブでしか味わえない瞬間が生まれたのです。手を左右に振るごとに近づく心と心。今までトロワアンジュが目指してきたものとはまた別の、「楽しく作り上げるライブ」という、新しいステージの姿が自然発生的に形作られたのです。天使の心の庭に招待された、そんな心地すらしてくるほどうっとりとした、そして何より心から楽しめる時間が、白トロワ、黒トロワと規定されない、等身大のトロワアンジュの姿がそこにあったのです。

 

「最強の座、そのカタチ」-ステラマリス公演

「最強のユニット」。この設定で走り出したステラマリスは、その座を譲ることなく邁進し続けてきました。歌、パフォーマンス、演技力…彼女たちを最強たらしめる要素は数多くあります。そのうちのひとつが、あの日浮かび上がってくるかのようでした。
『Bridge to Dream』から始まったステージは、新曲とは思えないほどの完成度で地に足の着いた圧巻のパフォーマンス。この超然的な存在感こそがステラマリスなのだと細胞レベルで認識させられる、そんな1曲目。続く『恋はフュージョン』は会場をガンガンに盛り上げ、2曲目でボルテージは最高潮へ達します。
MCを挟んで『Stage of Star』『Secret Dream』と初期のナンバーが続き、ソロ曲パートへ。2019年春のツアー大阪公演以来、約2年ぶりのフルバージョンは、それぞれの個性が存分に発揮されたステージを作り上げました。もとよりステージでは式宮碧音、一条瑠夏、岬瑚を完全に再現して見せる3人なのですが、ソロ曲はよりキャラクターに寄せ、チューニングされた楽曲だからこそ、その輝きは一層強まります。諏訪彩花さんは『惑わしラプソディ』で瑠夏の等身大な悩み、悔恨、羨望をクールに歌い切る。田中あいみさんは『Glory Star』で珊瑚のプライドとまっすぐすぎるほどのアイドルへの思いを発露させる。そして高橋ミナミさんは『Desert Black Flower』は最強のユニットの中で最強の存在であり続けること、この孤高さ、気高さを痛々しいほど鮮明に紡ぐ。この同じユニットにありながら個々が違う方向を向き、己との戦いの中でステラマリスを作り上げていく、華やかなステージの裏側にある強さが、このソロ曲パートには存在していました。
その後は旗を使った幕間のダンスパフォーマンス、『Brilliant Wings』『InFiction』へと続きます。クールなダンスに、これまたかっこいい曲が2曲も披露されるのですが、その後のMCでは打って変わってふわとした優しくて面白い雰囲気に。「私の背が足りなくて旗を下げてもらった」という田中あいみさんの話や、「#リステワンマンライブ でツイートしてね!後で私がみるから!笑」という高橋ミナミさんの監視(?)発言など、さっきまでのステージとは別人のようなトーク。そしてトークが終われば真剣な顔でステラマリスを遂行する…。この振り幅、強烈なまでの役への入り込み、これこそが「最強ステラマリス」が最強たるゆえんなのではないか、感情でぐちゃぐちゃになった頭の中で、そんなことを考えていました。
声優さんのライブは、ライブという形態の中でもかなり異質です。キャラクターという明確に存在し、そして実在しない人物になりきって歌い、踊る。2次元のキャラクターと3次元の声優。この関係だからこそライブでは時々この次元の狭間が非常にあいまいになることがあります。この次元の間にあるグラデーションが濃くなったり、薄くなったり。限りなくキャラクターに近づき、錯覚すら生み出すほどのパフォーマンスをしたかと思えば、声優としてキャラクターとコンテンツに思いを馳せる。限りなく2次元に近い瞬間と3次元に一気に引き戻すこの緩急は、アニメの声優という特別な存在でしか生み出すことはできません。この揺さぶりがステラマリスは群を抜いて上手いのです。MCで賑やかに話したかと思えばすぐに最強ユニットの顔を見せる、その曲の中でもキャラクターに近い時も、演者としてのパフォーマンスを見せるときもある。声優しか表現できない世界を最大限魅せるその力量、懐の広さ、引き出しの多さ、これがステラマリスを最強たらしめているのだと、このワンマンライブで確信しました。アニメの楽屋のシーンのような、『Like the Sun, Like the Moon』のような。1年半という時間を感じさせない完成度の高さに、ワンマンライブの最後を飾るのがこのユニットがこのユニットでよかったと、心地よい疲労感の中で感じていました。
 

 

「Re:ステージ!ワンマンライブ 〜Chain of Dream〜」、2020年4月に予定されていたこのライブは、世界的なパンデミックの影響を受け延期に。どのユニットもMCで何度も話していた「当たり前が当たり前じゃない」という事実。それでもつなげ続けた夢が1年後ちゃんと叶った、これだけでも本当に価値のあることでした。そのうえで、誰一人手を抜かずに準備してきたことが伝わるライブで、これまでのリステが重ねてきた歴史の正しさを改めて感じることができました。
牧野天音さんが3rdの最後に語った「これまでは序章、これからもっともっと広がっていく」という言葉に嘘はなかったのです。そしてすべての公演で何度も強調された「Re:ステージ!はまだまだ続きます」という言葉。そう、これだけのコンテンツが簡単に終わっていいはずがありません。次のライブを楽しめるその瞬間まで、前を向いて生きていきたい、そう思えました。

ありがとう、Re:ステージ!、これまでも、そしてこれからも。